君らしく


作詞:SEIGI

作曲:SEIGI

編成:混声3部合唱+ピアノ(div.あり)

演奏時間:4分30秒

作曲年:2016年10月~12月

 

2012年発表「守るべきもの」から約4年ぶりとなった著者の新作クラス合唱曲。

「君は君らしく君でいて」「僕は僕らしく僕でいよう」と歌詞にあるように、現代の若い人へ向けて、その自分らしさ(アイデンティティー)を大切にしてほしいというメッセージが込められています。

アップテンポの曲なので、爽やかに駆け抜けるような演奏を期待したい。

演奏時間は約4分30秒。


Score

品番:SSP-G0022

出版:SSP出版

販売形態:PDF

品番:SSP-G0900

出版:SSP出版

販売形態:製本版(SEIGIコーラスアルバム ベストセレクション Vol.1 [混声編])


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作曲者からのメッセージ

この曲は、2012年に「守るべきもの」という曲を発表してから、約4年ぶりに書き下ろした新作のクラス合唱曲となります。この4年の間、ずっと書こう書こうと思っていたのですが、中々書けず仕舞でタイミングを逃しておりました(反省。元々はクラス合唱曲の作曲をメインに活動していたわけですが、近年は純音楽作品の作曲にスライドしておりましたので、まるで我が家へ帰ってきたような気持ちです。

 今回は詞先且つ久々にSEIGI名義で詞を書きましたけれど、曲名の「君らしく」同様、「君は君らしく君でいて」「僕は僕らしく僕でいよう」と歌詞にあるように、現代の若い人へ向けて、その自分らしさ(アイデンティティー)を大切にしてほしいというメッセージを込めました。サビで「頑張らなくてもいいんだよ」とあります。人を応援する際に「頑張れ!」と声がけする人は多いと思いますが、この「頑張れ!」は時と場合によっては肩の荷が重くなると言いますか、反対にプレッシャーを与える事もあるのではないでしょうか。そんな考え、私が偏屈なだけかもしれませんけれど…。なのでこの言葉をサビに入れてみました。「頑張らなくてもいいんだよ」と言えたら、言ってもらえたらどんなに気が楽になるでしょうか。むしろこの言葉は他者ではなく自分自身に語りかけているのかもしれませんね。

 今まで自分が書いてきたクラス合唱曲とは違い、この曲で初めて試みた事があります。まずテンポ。普段ゆっくりと落ち着いたバラード調の曲が多かったので、せっかく久々のクラス合唱曲なのだからと、アップテンポで爽やかに駆け抜けるような曲を書いてみようという思いで作曲をしました。それから冒頭にピアノの前奏がなく、いきなり合唱パートから歌い始める事。転調部に1拍分のブレイクを置いただけで、転調を予感させる事なくかなり不意をついたインパクトある転調になった事など。クラス合唱曲にしては、なかなか冒険をしてしまいました(汗。基本的にこの曲は「字ハモ」(主旋律を歌うリードに対して他のコーラスが同じ歌詞・リズムを揃えて歌うこと)が多いので、演奏する上でそんなに苦労する点はないかと思います。皆様に楽しんで歌っていただけたら嬉しいです。

 

<演奏のポイント>

・冒頭:練習番号Aは語りかける部分。テンポ86。しかもピアノの前奏がなく合唱パートから始まります。歌い出しには細心の注意を。

・4~6小節目にかけて、accel.とcresc.をうまく利用し勢いをつけ、6小節目に飛び込むイメージで。男声の「君でいて」の「て」は高いC音ですが、あまり張り上げず、乱暴にならないように気をつけましょう。

・6小節目:練習番号Bからテンポ140になります。ピアノは曲中ビートを効かせて、歯切れよく。こういった曲のペダルの使い分けはセンスが問われます。

・14小節目:練習番号Cはunis.ですので音色を統一させて。22小節目から3声に分かれますので、バランスをよく考えましょう。

・31小節目:練習番号Dから男声が主旋律になります。女声との掛け合いや対比を楽しんで。38~39小節目にあるmpとcresc.は効果的に。サビに向かって次第に盛り上げましょう。

・46小節目:練習番号Eからサビ。先程申したように「頑張らなくてもいいんだよ」という他者(もしくは自分自身)への語りから始まり、「君は君らしく君でいて」「僕は僕らしく僕でいよう」というアイデンティティーの大切さを歌います。フォルテですが優しさを持って。

・62小節目:1カッコの「lalala…」とヴォカリーズで歌う部分は、譜面には書いておりませんが、若干のアクセントを付けて歌うと効果があります。

・69小節目:2カッコの転調部。2拍目にある全パート4分休符1拍分のブレイクを挟み、FキーからA♭キーへ転調します。ここは十分に練習を。

・70小節目:練習番号Fから転調してより一層輝きを増して。

・86小節目:前の小節からrit.とdim.がかかり、ここで一旦ブレイク。87小節3拍目からのソプラノは気分を一新して歌い直すイメージで。pは優しく。

・88小節目:練習番号GはMeno mosso、テンポ80です。ゆっくりしっとりと。89小節3拍目のフェルマータを活かして。

・90小節目:テンポ140に戻ります。一気に勢いをつけて歌い上げましょう。94小節目はsenza dim.とあるように、そのまま力強く歌いきってください。

 

2016年12月

SEIGI