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品番：SSP-A5003

出版：SSP出版

販売形態：PDF

この曲は、1983年から1996年まで放送されたドラマであり、画家・山下 清を主人公にした「裸の大将放浪記」（芦屋雁之助主演）の主題歌として作られた曲です（2007年には、お笑いコンビ・ドランクドラゴンの塚地武雅主演でリメイクされたので記憶に新しい人も多いはず）。歌は、夫婦でデュオとして活動しているダ・カーポのお二人。純粋且つ素朴な旋律と歌詞の内容のためか、小中学校の教科書にも採用されているようです。さて、このたび私が日頃お世話になっている合唱団イクトゥスの皆様がSSF（SeigiSoundFestival）という私の作品だけを集めたプチ個展を企画してくださり、その中の男声合唱ステージのための編曲委嘱を承りました。ピアノは私が弾かせていただき、会場にいらしたお客様より好評を得ることができました。素晴らしい初演をしてくださった合唱団イクトゥス男声メンバーの皆様と初演指揮の齋藤氏に、この場を借りて感謝申し上げる次第です。

今回男声合唱アレンジをするうえで注意した点ですが、あまりにも素朴すぎるフォークソング調、コード進行、しかも元々ダ・カーポによる2声のハモリが付いている曲なので、アレンジの際はすごく悩みました。こういったシンプルな曲をアレンジする時は、原曲をかなり味付けしないと（無論、原曲をリスペクトしたうえで）、申し訳ないですがコンサートでは演奏しても映えないのです。なので、どう料理するかをかなり熟考しました。結論から言うと、まずキー（調性）を変えることから始めました。原曲ではまっさらなハ⻑調（C）ですが、カラーを付けたいと思い、変ホ⻑調（E♭）にしてみました。男声でも（テノール、バス共に）これでかなり歌いやすい音域になったのではないでしょうか。また、コード進行も私独自に考えたものを採用しています。原曲を聴くと「あれっ？」と思うはずです。それから原曲にはない歌い回しが存在します。21小節、45小節4拍目にある「A＿」です。私がアレンジの際に付け加えました。これは次の小節にある頭の音を出しやすくするための補助的な役割と、「あぁ」という感嘆詞の意味合いを含めたものになっています。またピアノパートはアルペジオを多く取り入れていますが、これは原曲のギターをイメージしています。49〜50小節にかけて、これも原曲にはない転調がありますが、ここから男声3部合唱となります。オプションとして、ヴォカリーズによるオブリガートを取り入れました。アレンジャーとしては、下2声とうまくブレンドし、透き通るような声を望んでおります。レガートが付いていますので、なめらかに歌いましょう。特にラストのハーモニーはアーメン終止ですから、祈りの世界や幸せな気持ちに満ちた表現ができるといいですね。

2014年12月

SEIGI