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拙作の初演団体として、また演奏会に共演させて頂くなど、常日頃、私の作曲活動にご尽力いただいている合唱団イクトゥスさん（以下、同団）が、今年2013年5月5日に創立20周年記念演奏会を開催され、ご招待いただきました。また同団では、毎週の練習の終わり等の折々の機会に、団員や団ゆかりの方々の誕生日に際して「Happy Birthdayto You」を団代表の齋藤氏の指揮で、全員で歌い祝うことを恒例にしていると伺いました。そこで、このたび創立20周年をお祝いし、私から同団へのプレゼントという形で、シンプルに、しかし飽きが来ないような混声4部合唱のアレンジを施し、この新しい「Happy Birthday to You」を献呈させていただきました。すでに数多くのアレンジがある中で、我ながらなかなか難しい挑戦でしたが、団員の皆様が喜んでくださり、こちらとしてもとても嬉しい限りです。その後、団代表の齋藤氏と、このように「誕生日を迎えるメンバーへ合唱団全員でお祝いの歌を歌う」というようなことが、全国の合唱団の方々にも広がれば…という話になり、こうして楽譜と初演音源を公開させていただく運びとなりました。

さて、このアレンジ譜は、団代表の齋藤氏と相談の上、以下の点を踏まえて制作させていただきました。

• これまで恒例として歌われてきた調と同じ調性として、G（ト⻑調）としました。
• 各パートへ移っても行き来しやすい無理のない音域としました。例えば、その時々の人数のバランスの関係で、ソプラノの方がアルトパートで歌う、バスの方がテノールパートを歌うというようなこともできるように配慮させていただきました。
• 曲中で誕生日の方の「名前」を呼びかけるところがありますが、いろいろな方の名前を入れやすい音型にするとともに、音なしで名前を呼び掛けることもできるよう、自由に小回りが利くアレンジとしました。
• ソプラノは主旋律だけで統一しました。そうすることで、合唱未経験者の方、一般の方、初見の方も含め、すぐに全員で主旋律を歌い祝うことができるようにという配慮です。
• ラストの3小節（Meno Mosso）は、和声の移り変わりを楽しんでもらえたら嬉しいと考え、パート同士で音がぶつかる箇所もありますので、その独特な響きも味わっていただけたらと思います。
• このアレンジを、団全体のハーモニー練習などにも活用いただけたら編曲者としては幸いです。

2013年11月

SEIGI